columnお悩み解決コラム
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公開日:2019.9.20 / 最終更新日:2019.9.18
初めて赤ちゃんが生まれると、すべてのことが初体験なので、心配事が多いものですよね。くしゃみをしたら「風邪を引いたのかな?寒いのかな?」とか、母乳を吐き出すと「調子が悪いのかな?」などといった具合です。
赤ちゃんの脚の発育に関しても、初めてのママは心配なことばかりです。脚がO脚気味だと不安になりますし、歩き始めてX脚気味になると、それもまた不安なものです。そこで今回は、赤ちゃんの脚の発育に関する疑問に答えます。
O脚とは、両脚の内くるぶしを付けたときに、ひざや太もも、ふくらはぎの間に隙間ができる状態を意味します。アルファベットの「O」のような形になることから、この名前が付けられていますが、医学的には「内反膝(ないはんしつ)」と呼んでいます。
赤ちゃんがO脚気味で心配なママにお伝えしたいことが、「赤ちゃんはみんなO脚だ」ということです。生まれてから歩き始めるまでの赤ちゃんは、みんなO脚(生理的O脚といいます)なので心配しなくて大丈夫ですよ。
まだ立つ前の赤ちゃんにとって大事なのは、仰向けに寝ているときに、ひざと股関節がアルファベットの「M」の形になっていて、自由に動かせる状態になっていることです。
赤ちゃんの頃はO脚気味だったかと思えば、歩き始めると徐々にX脚気味になっていきます。ただ、これに関しても生理的X脚といって、心配するような現象ではありません。
X脚とは、太ももと両ひざはくっつくものの、両脚の内くるぶしがくっつかない状態を意味します。見かけ上、内股になるので、心配なさる親御さんも多いのですが、7歳を過ぎるとだんだん大人の脚と同じように、まっすぐに近くなっていきます。
歩き始めてしばらく経つのにO脚が続く場合、それほど症例は多くないのですが、骨の病気の可能性もあります。では、どんな病気の可能性があるのでしょう。
生理的O脚の場合は1歳から3歳までに改善するものなのですが、ブローント病を発症している場合、かえってO脚の程度がひどくなるという特徴があります。
骨の内側が成長しないのに、骨の外側だけが成長することでO脚の程度がひどくなるのですが、ハッキリとした原因は今のところ分かっていません。一説としては、あまりにも早く歩かせることがブローント病のリスクを高めるのではないかと考えられています。
ブローント病を放っておくと将来の変形性股関節脱臼(へんけいせいこかんせつだっきゅう)のリスクを高めるため、早目に治療することが重要だということです。
くる病は栄養状態の悪い時代によく見られた疾患なのですが、現代でも栄養バランスが偏ったり、極端に日光を浴びなかったりすることで、くる病を発症するケースがあります。
くる病を発症すると、生理的O脚よりも脚の弯曲が強くなります。というのも、生理的O脚の場合は下腿(ひざから下)の骨だけが内側に反っているのですが、くる病を発症すると、太ももの骨も内側に反ってしまうからです。
くる病の主な原因はビタミンDが不足することですが、紫外線を過剰に避けると体内でのビタミンDの合成が阻害されるため、くる病を発症するリスクが高くなります。
くる病のO脚以外の特徴としては、手首が腫れたように見えることや、あばら骨の脇が盛り上がって見えることなどがあげられています。また、1歳半検診で小柄だと指摘されるケースもあります。
発育性股関節形成不全(はついくせいこかんせつけいせいふぜん)は、かつて先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)と呼ばれていた股関節の病気です。成長にともなって発症するケースもあることから、病名が改められました。
股関節は、丸い形状をしている大腿骨骨頭(だいたいこつこっとう:太ももの骨の付け根部分)が、お椀をさかさまにしたような骨盤のくぼみ(臼蓋:きゅうがい)にはまっています。
同じような構造をした関節が肩関節(けんかんせつ)ですが、このような形状をしているため、ほかの関節よりも可動域が広いのです。
赤ちゃんの股関節は未成熟なので、M字の状態で自由に動かせるようにしておかないと、太ももの骨が骨盤から外れやすくなってしまうのです。
骨格は親から子へと受け継がれるものなので、遺伝的要因によってO脚になるケースがないわけではありません。
ただ、生理的O脚の場合は遺伝よりも生活環境の方が、O脚のリスクファクターになるケースが多いようです。むやみに自分を責めないで、お子さんの成長を温かく見守ってあげてくださいね。
赤ちゃんの脚を健全に成長させるため、ママに心がけてほしいポイントが6つあります。一般的な赤ちゃんの成長と少し違っていても、赤ちゃんにも個人差があることを忘れないでくださいね。
昔から「這えば立て立てば歩めの親心」などと言いますが、小さい赤ちゃんを無理に立たせることは控えた方が良いでしょう。
自分で立てないということは、まだ立つための筋力が未発達だということに他なりません。無理に立たせることで必ずO脚になるというわけではありませんが、ひざや腰への負担が増す恐れがあります。
ハイハイは、赤ちゃんの心身の発達にとても重要な運動です。試しにハイハイをしてみると分かるのですが、四つん這いになって頭を起こす動作は大人にとっても結構しんどいものです。
赤ちゃんがハイハイすることで、身体を支えるための筋肉が鍛えられ、全身のバランス感覚が良くなります。また、心肺機能が向上するという説もあります。
精神的発達の面からも、ハイハイをすることが重要だとされています。なぜなら、ハイハイをすることによって行動範囲が広がると、赤ちゃんの知的好奇心が刺激されるからです。
近頃の赤ちゃんはつかまり立ちを早くする傾向にあるのですが、それは住宅事情も影響しているようです。できれば赤ちゃんが自由にハイハイできるよう、部屋を片付けてスペースを作ってあげてくださいね。
赤ちゃんの脚がMの形になっておらず、自由に動かせないと、発育性股関節形成不全のリスクが高くなります。抱っこひもを選ぶときには、股関節とひざ関節がM字になるものを選びましょう。
紫外線は皮膚にとって有害なので、ベビーカーの屋根の部分を閉めたり、大きめの帽子をかぶせたりするケースもあると思いますが、日差しは赤ちゃんの成長にとって必要な要素の1つでもあります。
というのも、ビタミンDを含む食品をいくら摂取しても、日光を浴びないと体内でビタミンDが生成されないからです。その結果、くる病を発症するリスクが高くなってしまいます。
とはいっても、真夏の日差しを直接浴びさせるような必要はありません。朝早い時間にお散歩するとか、木漏れ日を浴びるなど工夫するとよいでしょう。
赤ちゃんは食べたり飲んだりしたものを栄養にして、すくすく成長していきます。そのため、栄養バランスの良い食事を与えることが重要です。
先述したように、ビタミンDが不足した場合、くる病を発症するリスクが高くなります。どちらかというと母乳だけで育てている場合にリスクが高くなるということなので、心配な方はかかりつけのお医者さんに相談して、ミルクの併用を検討してみましょう。
ただし、ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、過剰摂取すると高カルシウム血症を発症し、腎機能障害などのリスクが高くなります。
とはいうものの、母乳やミルク、離乳食を摂取しているくらいでビタミンDを過剰に摂取することはほとんどありません。なんにせよ、バランスが大事だということですね。
7歳以降になってもO脚傾向がある場合は少し注意が必要です。O脚の目安の1つが、和式トイレの座り方ができるかどうかです。
極端に苦手な場合、脚の問題を抱えやすいので、対策を検討しましょう。O脚に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてみて下さい。
初めての育児は驚きの連続で、心配なこともありますが、それ以上に楽しいことがたくさん待っています。赤ちゃんのO脚に関しては、自然に直っていくものなので、あまり神経質にならず、温かく見守ってあげてくださいね。あまりにも心配な場合は一人で抱え込まずに、かかりつけのお医者さんに相談するとよいでしょう。
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