columnお悩み解決コラム
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公開日:2020.4.1 / 最終更新日:2020.10.15
東洋医学では体質をいくつかのタイプに分けており、陰虚もそのうちの1つです。陰虚はどちらかというと更年期を迎える女性に多く見られ、治療法は主に対症療法が採られます。
ただ、治療薬には副作用のリスクもあるので避けたい方もいらっしゃることでしょう。
東洋医学では、人間の体質を虚症(きょしょう)と実証(じっしょう)の2タイプに分けています。虚症は簡単にいうと身体の機能が弱っている状態です。
実証の場合、普段元気なのにいざ風邪をひくと重症化する傾向があります。日本人の多くは虚症だとされており、陰虚(いんきょ)は虚症をさらに細分化した体質のタイプの1つです。
東洋医学では、人間の体内を「気(き)・血(けつ)・水(すい)」がめぐっているとしており、気・血・水が不足することで、身体にさまざまな不調が現れると考えられています。
気は身体のエネルギーのようなものですが、気が不足することで気虚(ききょ)の状態に陥ります。同様に、体内の血が不足すれば血虚(けっきょ)に陥り、体内の水分が不足すれば、陰虚に陥るという訳なのです。
水は東洋医学における津液(しんえき)のことを指します。津液とは、体内に存在する血液以外の水分のことです。
陰虚は中年期以降の女性に多く見られるため、加齢が原因の1つと考えられています。ただ、もともと水分の摂取量が少なく、うるおいの足りない人にも起こりやすいほか、長期間にわたる薬の服用が原因で陰虚に陥るケースもあります。
陰虚はさらに細分化され、5つの代表的な陰虚体質に分類されます。それでは、それぞれの特徴と、それにともなう症状を見ていきましょう。
肝陰虚体質は肝血虚(肝臓に対する血流量の不足)から起こります。症状としては、目のかすみや乾燥、手足のしびれ、寝汗や寝つきの悪さといった睡眠障害が知られています。
東洋医学の世界では、体内に存在する血以外の水分を津液(しんえき)と呼んでいますが、心臓に送られる血や津液が不足することで、心陰虚体質に陥ると考えられています。
心陰虚体質になった場合、身体が熱っぽくなり、寝汗をかくようになります。また、精神的に不安定になり、良くない夢を見ることもあります。
肺陰虚体質は、肺に送られる津液が不足することで起こり、気管支の粘膜が乾燥するとされています。そのため、空咳が出やすくなったり、痰が出やすくなったりします。
腎陰虚体質になった場合、便秘や生理不順が見られやすくなります。また、めまいや耳鳴りがしたり、忘れっぽくなったりするということです。
胃陰虚体質になるとお腹はすくものの食欲が出ず、げっぷや胃痛が出やすくなります。また、歯茎から出血したり、歯痛を起こしたりするということです。
陰虚にはいろいろなタイプがあり、現れる症状も実にさまざまです。ただ、症状の現れ方が自律神経失調症の場合と似ていることに気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。実は、陰虚体質や更年期障害は、自律神経の働きと大いに関わっているのです。
陰虚体質になった場合の症状を見ていると、交感神経と深く関係があることに気が付きます。交感神経には身体のアクセルのような役割があり、身体を「アクティブモード」にする際に優位に傾きます。
通常は夜になると、身体のブレーキの役割をする副交感神経が優位に傾き「お休みモード」になるのですが、陰虚体質になった場合、夜になっても交感神経優位の状態が続き、心身を休めることができなくなるのです。
運動をした時に汗をかくのは交感神経の働きがあるからです。ただ、夜間になっても興奮状態が続き、交感神経優位状態が続くと、寝汗をかき睡眠の質が低下してしまいます。更年期障害の代表的な症状であるホットフラッシュも、交感神経が優位に傾くことで起こります。
自律神経のバランスが乱れると、最初に粘膜の異常が出ると考えられています。季節の変わり目に花粉症が現れるのもそのためです。
陰虚体質になった場合、胃腸の不調や気管支系の不調、婦人科系の不調が現れるのも自律神経のバランスが乱れるからだと考えられます。
陰虚体質になりやすい人を見ていると、いくつかの共通点があることに気が付きます。そこで、陰虚体質になりやすい人の共通点を紹介します。
陰虚体質になりやすい人の共通点や、陰虚に陥った場合の症状について見ていくと、陰虚体質は自律神経のバランスに左右されると考えられます。そのため、普段から自律神経が上手に切り替わるよう、生活習慣を改めることが重要です。
私たちの身体は食べたものからできているので、陰虚体質を改善するためにも、食習慣を見直すことが重要です。冷たいものを好んで飲んだり食べたりすると、身体が冷えて水分の循環が滞り、陰虚体質になりやすくなります。
陰虚体質を改善する効果が期待されている食べ物としては、はちみつや黒ゴマ、豆腐、トマト、あさり、ニラなどがおすすめです。
「早起きは三文の徳」などと言いますが、西洋医学的に見ても、早起きには自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
早起きをすることで体内時計がリセットされ、夜になると自然な睡眠欲が訪れるようになります。特に、しっかりと朝日を浴びると体内時計がリセットされやすいのでおすすめですよ。
ストレスは自律神経のバランスを乱す最大のリスクファクターとなります。そのため、必要以上にストレスを抱え込まないことが重要です。
湯船に浸かってリラックスすると、副交感神経が優位になり、血管が拡張します。それによって、全身に血液が送られ、陰虚体質の改善が期待できます。
40~41℃くらいの少しぬるめの温度のお風呂にゆっくりと20分程度はいるのがポイントです。
ぷらす鍼灸整骨院には、東洋医学に精通した鍼灸師や柔道整復師がたくさん在籍しているので、みなさん1人1人の「証(体質のタイプ)」に応じた施術を提供することが可能です。
陰虚体質の改善には漢方薬もおすすめとされています。
そこで、陰虚体質の改善効果が期待できる代表的な漢方薬を3つ紹介します。
八仙丸(はちせんまる)は、肝陰虚体質や腎陰虚体質を改善する効果が期待されている代表的な漢方薬である六味地黄湯(ろくみじおうとう)に、肺陰虚体質を改善する効果が期待されている麦門冬湯(ばくもんどうとう)と、五味子(ごみし)を加えたものです。
目が疲れたりかすんだりする人やむくみのある人、動悸や息切れが出やすい人、腰痛や足のしびれがある人などにおすすめの漢方薬とされています。
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)は、陰虚による症状の中でも、特に排尿障害やむくみ、のぼせが見られる人におすすめの漢方薬として知られています。
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)は、生脈散(しょうみゃくさん)とよばれる生薬から作られており、胃腸の不調や虚弱体質に対してよく用いられています。
陰虚は東洋医学の世界において、病気になる一歩手前の段階(いわゆる未病)と考えられています。
そのため、陰虚の内に改善しておくことが重要です。
およそなんらかの不調が見られる場合、ほとんどのケースで自律神経のバランスに乱れが見られるものです。
自分ではどうしようもない時は、ぷらす鍼灸整骨院の施術でサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
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