columnお悩み解決コラム
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公開日:2020.3.13 / 最終更新日:2020.3.13
東洋医学の世界では、病気になる一歩手間のことを「未病」と呼んでおり、その段階で対処することが重要とされています。
未病を引き起こす1つのファクターが「水滞」なのですが、水滞とはどのような状態を意味し、どんな原因があるのでしょう。
それでは早速ですが、今回のメインテーマである水滞(すいたい)について見ていきたいと思います。
水滞とはどのような状態を意味するのでしょう。
水滞は東洋医学の世界では水毒ともよばれています。
中医学(中国における伝統的医学)では、水滞をさらに水腫(すいしゅ)や痰飲(たんいん)、湿(しつ)などに細かく分類していますが、日本ではまとめて水毒にカテゴライズしています。
「え?漢方って中国伝来の医療じゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、漢方は伝統的な中医学が日本で独自に発展を遂げたものです。
人間の身体にとって水分は欠かすことのできない物質の1つです。
漢方の世界では、気(き)・血(けつ)・水(すい)が、健康の三本柱と考えられています。
水は先述した通り、体内に存在する血液以外の水分を意味し、血は血液に加え、血液中に含まれる栄養素も意味します。
「気」の考え方に関しては少しわかりにくいのですが、「身体のエネルギー」と考えてよいでしょう。体内の栄養が不足することを血虚(けっきょ)といい、血液の流れが滞ることを瘀血(おけつ)と呼びます。
体内の気が不足すると「元気」が無くなり、気虚(ききょ)の状態になります。
そして、体内の水分の流れが滞ると水滞状態になるというわけです。
水滞は何らかの原因によって、体外へと排出されるべき水分が滞ってしまう状態を指すということでしたが、では、どのような原因によって水滞状態になってしまうのでしょう。
水滞になるもっとも単純な原因が、水分を摂りすぎることです。
適度な水分摂取は生命活動を維持するために欠かすことができませんが、必要以上に水分を摂取すると、排出が追い付かなくなってしまいます。
お酒の飲み過ぎも水滞の原因となります。
なぜなら、お酒を飲むと喉が渇き、やはり必要以上に水分を摂ってしまうからです。
水滞の原因としては、内臓機能の低下もあげられます。
腎臓の機能が低下すると、尿を産生する働きが弱くなるため、体外への水分排出量が減少します。
また、小腸の機能が低下すると、効率的に水分を吸収することができなくなるため、やはり水滞を招くリスクが高くなります。
自律神経のバランスの乱れも、水滞のリスクを高めます。
なぜかというと、私たちの内臓の機能は、自律神経の働きによってコントロールされているからです。
水滞はいろいろな原因によってもたらされますが、では、私たちの身体が水滞状態になった場合、
具体的にはどのような症状が現れるのでしょう。
水滞状態になったときに現れる代表的な症状が、手足のむくみです。
そもそも、むくみ(浮腫)とは、体内に不必要な量の水分がとどまっている状態を意味します。
水滞状態に陥ると、頭痛が現れることもあります。
また、めまいや吐き気、嘔吐が見られることもありますが、それは、水滞が気虚(身体のエネルギーが不足している状態)によってもたらされるケースが多いからです。
水滞状態になると、手足の冷えを生じることもあります。
冷えに関しては水滞に限ったことではなく、瘀血や血虚、気虚に陥った場合も同様に冷えが見られます。
東洋医学の世界で「冷えは万病の元」と言われるのはそのためです。
排便障害も水滞による症状の1つです。
必要以上の水分が体内にとどまっている状態であることから、頻尿やお腹を下しがちになります。
水滞気味の人によく見られるのが、季節の変わり目に不調が現れるということです。
特に、夏場に必要以上に水分を摂取していると、秋口にかけて不調が出やすくなります。
東洋医学では瘀血や血虚、気虚など、身体の状態を様々な証(しょう:体質のタイプ)に分類しますが、水滞の人にはどんな特徴があるのでしょう。
以上のような症状がたびたび見られるようであれば、もしかしたら水滞体質になっているかもしれません。
水滞は漢方における体質のタイプの1つであることから、漢方薬を利用して改善することが期待できます。
では、水滞に対してはどのような漢方薬が用いられるのでしょう。
五苓散(ごれいさん)は、水滞を改善するための代表的な漢方薬です。
尿量の減少を解消したり、頭痛やめまいを解消したりする効果が期待されています。
平胃散(へいいさん)はその名の通り、胃の働きを平常に戻すための漢方薬です。私たちが飲食したものはまず胃にとどまるため、胃の機能を高めることで、水滞を改善することが期待できるのです。
半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)には、水滞による立ちくらみやめまい、頭痛などを改善する効果が期待されています。
東洋医学的な治療に用いられる漢方薬は、以下のようなときに用いるとよいでしょう。
西洋医学で用いられる化学的に製造された医薬品より、比較的副作用が少ないものも多いというメリットもあります。
水滞をはじめとする東洋医学における「証(体質のタイプ)」は、生活習慣によってもたらされることがほとんどです。
そのため、以下のようなことに気を付けて予防することが重要です。
当たり前のような話ですが、尿意を催しても我慢してトイレに行く回数が少ないと、体内に水分が滞りがちです。
尿意を催したらタイミングを逃さず、トイレに行くよう習慣づけましょう。
「アルコールを飲むと翌日顔がパンパン」というような方は、アルコールの摂取量を減らしましょう。
酒は百薬の長ですが、万病の元ともなります。
食習慣の見直しも、水滞を予防するために欠かせません。
冷たい食べ物や飲み物を好んで摂取すると、内臓を冷やしてしまい、水滞のリスクを高めます。
基礎体温を高めることも、水滞の予防につながります。
自律神経のバランスの乱れも水滞の原因となりますので、鍼灸院で施術を受けるのがおすすめです。
ぷらす鍼灸整骨院には東洋医学に詳しい鍼灸師や柔道整復師が多数在籍していますので、きっと皆さんのお悩みにお応えできると思います。
水滞は、その他の東洋医学的な証と同様、未病(病気になる一歩手前の状態)をもたらすと考えられています。そのため、水滞を予防して、病気にならない身体を手に入れることが重要です。
ぷらす鍼灸整骨院では、西洋医学的な治療ではなかなか改善が期待できない「未病」にフォーカスした施術もおこなっています。原因不明の不調に悩まされている方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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