columnお悩み解決コラム
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公開日:2020.3.12 / 最終更新日:2020.3.12
東洋医学では、人間の体内を気と血が巡っていると考えています。そのバランスが乱れることで、心身に様々な不調が現れるのですが、血虚もそのうちの1つです。
貧血と似たような状態が現れるのですが、病院で検査をしても異常なしとされるケースが少なくありません。そこで今回は、血虚とその改善法について解説します。
目次
血虚(けっきょ)を改善する方法について理解するためには、そもそも、血虚がどういう状態なのかについて知っておくことが重要です。
東洋医学における血(けつ)は、単に血液のことだけを意味するのではなく、全身に送り届けられる栄養素も含みます。
貧血と血虚はともに似たような意味で使われるので非常に紛らわしいのですが、厳密にいうと貧血とは、1立方ミリメートル中に含まれる赤血球の量が不足していることを意味します。
一方、血虚は赤血球が不足していることを意味するのではなく、血液中の栄養素が不足している状態を意味します。
貧血が西洋医学の分野であるのに対して、血虚は東洋医学の分野ということも可能です。
東洋医学の考え方において、血虚は涼しくなる秋口に起こりやすいとされています。
真夏の暑さが和らいで、身体がブレーキをかけ始めるころ、何とはなしに不調に見舞われる方も多いのではないでしょうか。
血虚には、大きく分けて2つの血虚体質があります。それぞれに現れやすい症状と併せて紹介したいと思います。
血虚体質の1つが肝血虚体質です。
肝血虚体質に陥った場合、めまいや耳鳴り、手足のしびれ、中途覚醒(睡眠中に目が覚めること)などが見られやすくなります。
心血虚体質は、心労やストレスなどが溜まると起こりやすいと考えられています。
心血虚体質に陥った場合、不安や睡眠障害、めまい、月経不順といった症状が見られやすくなります。
血虚の概念は非常にややこしく、一般の方にはなかなか伝わりにくい傾向があります。そこで、血虚のチェックリストを紹介しますので、自分が血虚に当てはまるかどうかを確認してみてください。
上のチェックリストに当てはまる事項が多ければ多いほど、血虚体質になっていると考えられます。
そのような方は、早めに体質を改善しましょう。
東洋医学の世界では、血虚は漢方薬を用いて改善をはかるのも一般的です。
では、どのような漢方薬が用いられるのでしょう。
四物湯は、血虚に対して用いられる代表的な漢方薬としてよく知られています。
皮膚が乾燥してカサカサしている方や冷え性の方、月経不順の方などに効果的とされています。
七物降下湯は昭和に入ってから作られた漢方薬で、先ほど紹介した四物湯に、釣藤鈎(ちょうとうこう)、黄耆(おうぎ)、黄柏(おうばく)を加えたものです。
高血圧の方におすすめの漢方薬とされています。
芎帰膠艾湯は、冷え性の方や、月経にともなう貧血やめまいが見られる人におすすめの漢方薬です。また、月経にともなう憂鬱感の改善効果も期待できるとされています。
当帰飲子は、皮膚がカサカサと乾燥していて、かゆみがある人におすすめの漢方薬です。
また、冷え性の方や、疲れやすい方にも当帰飲子が効果的とされています。
女性には月経があるため、どうしても血液が不足しがちな傾向があります。
そのため、女性には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)といった漢方薬がおすすめです。
漢方薬の多くに甘草(かんぞう)という生薬が用いられています。
もともと江戸時代の後期に入るまで、医術といえば漢方のことを指すのが当たり前だったので、あえて漢方という呼び方をしていませんでした。
ところが、江戸時代の後期になってオランダから蘭学とともに、ヨーロッパの医学が伝わり、オランダ流の医学のことを蘭方と呼ぶようになりました。それにともなって、日本の伝統的な医術が漢方と呼ばれるようになったのです。
血虚は簡単に言うと、身体の隅々に栄養が行き届いていない状態を意味します。
そのような状態を改善するのにおすすめのツボがあります。
三陰交は、内くるぶしから指の幅4本分上に行ったところにあるツボで、婦人科系の万能穴(ばんのうけつ)とされています。冷え性や生理痛、疲労などの改善に効果があるツボとされています。
心兪は肩甲骨の下端やや上方を背骨に向かった、背骨の両脇にあるツボです。心兪には血虚にともなう心労を和らげてくれる効果が期待されています。
血海のツボは、膝蓋骨(しつがいこつ:いわゆる膝のお皿)の内側から、指の幅3本分上に行った場所にあります。冷え性や月経痛の改善に効果的とされています。
肝兪のツボは、心兪のツボから指の幅6本分下がったところにあります。肝兪のツボには、めまいやふらつきを抑えたり、目の渇きや充血を抑えたりする効果が期待されています。
血虚は全身の隅々に栄養を送れなくなる状態を意味するため、漢方薬だけではなく普段の食事で栄養を補ってあげることが重要です。
血虚の場合、豚や鶏のレバーや、肉類を積極的に摂取するのがおすすめです。
また、ホウレン草やニンジンにも血虚を改善する効果が期待されています。
貧血やめまいを訴えて病院へ行ったときに、検査の結果「異状なし」といわれた場合、血虚状態に陥っている可能性があります。
血虚はいわゆる未病(病気になる一歩手前の段階)を引き起こす危険因子であるため、病気になる前に対処することが重要です
ぷらす鍼灸整骨院は通常の整骨院とは異なり、東洋医学のスペシャリストである鍼灸師が多く在籍しています。
原因が分からないめまいやふらつき、冷え性がある場合は、ぜひぷらす鍼灸整骨院までご相談くださいね。
血虚という言葉にはなじみがなくても、原因不明のめまいやふらつき、冷え性、月経不順などに悩まされている方は多いのではないでしょうか。
人間の身体はとてもよくできていますが、1つの狂いから全身の乱れにつながることも珍しくありません。「なんとなく」感じる不調は、身体からのサインだと考え、早めに対処してくださいね。
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