columnお悩み解決コラム
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公開日:2019.8.26 / 最終更新日:2023.7.4
「最近、足の親指が曲がってきて、歩くと痛みを感じる。」
「足の横幅が広くなって、いつも履いていた靴が履けなくなった。」
あなたは、このような悩みを抱えてはいませんか?
これは、外反母趾(がいはんぼし)の特徴的な症状です。
このような疑問をお持ちの方は本ページをお役立てくださいね!
まずは、外反母趾の症状について理解を深めていきましょう。
全日本民医連の「健康の豆知識」というページでは外反母趾の症状を以下のように説明しています。
外反母趾(がいはんぼし)とは、母趾(おやゆび)がその付け根で外側に曲がっている状態をいいます。母趾の骨と第1中足骨が「く」の字型になっていて、多くの場合、足の幅も中足部で大きく扇状に広がっています。 また、母趾の付け根の出っぱりが靴に当たるなどの刺激を受け、関節の周囲にある滑液包(かつえきほう)という部分に炎症を起こし、付け根が赤く腫れ、痛みます。足の裏にタコができ、これが痛むこともしばしばあります。
上記の通り、外反母趾とは足の親指の先が曲がって、つけ根部分が出っぱって痛むというものです。
そのままにしておくと、出っぱり部分が靴に当たり炎症を起こしたり、付け根が赤くはれたり、足の裏にタコができたりします。
実は外反母趾の発症率は性別により変わります。男女比は9:1(女:男)で女性に多い病気です。男女比の差を生み出す理由の一つが、普段履いている靴の違いといわれています。
靴の違いが外反母趾の原因であることについては「外反母趾になってしまう4つの原因」の項で詳しく述べていきます。
さて外反母趾の症状は理解いただけたでしょうか?
ここからは、自分が外反母趾かチェックする方法、症状を放っておくとどうなるのか、外反母趾の原因、そして治療法をそれぞれ見ていきましょう。
まずは、自分が外反母趾かチェックする方法です。家にあるちょっとした道具ですぐできるので、記事を読みながらやってみましょう。まずは以下の4つを用意してください。
1.紙1枚(片足が全て乗るくらいの大きさのもの)
2.鉛筆またはボールペン
3.定規(紙に直線を引いていただくステップがあります)
4.分度器(角度を測っていただくステップがあります)
用意ができたら、以下の3つのステップをおこなっていきましょう。
*「母指球」とは、足の裏側で、一番出っぱっているところです。親指の付け根あたりにあります。
角度は測れましたか?測った角度が5~10度程度でしたら正常な状態です。外反母趾ではありません。
測った角度15度以上の場合は、外反母趾の可能性が高いです。
ですが初期のものでしたら改善が可能なので安心してください。
自分が外反母趾だと分かったのに、何もしないことが一番危険です。
では、外反母趾を放っておくと具体的にどうなるのか、次はこれについてみていきましょう。
まず、外反母趾が悪化するとはどういうことかについて触れておきます。外反母趾が悪化するとは、足の親指が曲がる角度が大きくなるということです。つまり、先ほど計測していただいた角度が20度、30度と大きくなっていくことが外反母趾の悪化です。
外反母趾を放っておくと、歩くことすら困難になり、最悪の場合手術が必要になります。
外反母趾の手術法にはいろいろありますが、最も一般的なのは中足骨を骨切りして矯正する方法で、変形の進行の程度により方法を選んでおこなっています。手術は腰椎麻酔か局所麻酔下に1時間以内で、翌日から歩行が可能です。従来の靴が履けるようになるのには2ヵ月間ほどかかります。(公益社団法人 日本整形外科学会の『「外反母趾」』より引用)
外反母趾を放っておくことは歩行などの日常生活にも影響を及ぼすことが理解できたと思います。
では、なぜ外反母趾になってしまうのかその原因についてみていきましょう。
外反母趾の原因は足指の筋力低下、靴による圧迫、歩き方、遺伝の4つがあります。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
1つ目の原因は足指の筋力低下です。これには、生活習慣の変化が大きく影響しています。
実際、下駄や草履を履いていた時代の日本には外反母趾はなかったそうです。
しかし、生活習慣が西洋風のものへと変化したことによって、足の指をひろげるための筋肉や足裏の筋肉に衰えが生じているのです。
また、足指の筋力低下は外反母趾だけでなく、偏平足(へんぺいそく)という足が平べったくなる症状の原因にもなっています。
足指の筋力を改善したいと思っている方は、後述の「外反母趾の治し方は?初期の改善が大事
」の項で紹介しているエクササイズに取り組んでみてください。
2つ目の原因は靴による圧迫です。特に、つま先が圧迫されることで外反母趾を引き起こします。
例えば、ヒールの高い靴を履き続けると、つま先重心となり、外反母趾になりやすくなります。
また、サイズのあっていない靴や先の細い靴を履き続けても、つま先が圧迫されることで外反母趾になりやすくなります。
よくヒールを履いている女性が外反母趾になりやすいのは、つま先が圧迫される機会が男性よりも多いためです。普段はつま先の広い靴を履くことなどが外反母趾の予防になります。
3つ目の原因は歩き方です。歩き方は、足指の筋肉量に関係してきます。
よくない歩き方の例としては、足裏全体を地面につけて歩く歩き方が挙げられます。この歩き方は足指の筋肉をまったく使わないので外反母趾の原因となりやすいです。
現代人はこの歩き方をよくしているので、自分の足裏が全部地面についていないか、注意して歩きましょう。
また、腰をそらす歩き方も、重心が後ろに傾き、足指の筋肉が使われないので、外反母趾の原因となります。
理想的な歩き方は、
かかと→足裏→つま先の順に重心を移す歩き方です。
この歩き方を続けると、足指の筋肉が正しく使われるようになります。
結果として外反母趾の症状が改善されることもあるのでぜひ試してみてください。
4つ目の原因は遺伝です。遺伝といっても、外反母趾自体が遺伝するわけではなく、外反母趾になりやすい足の形が遺伝するという意味です。日本人に多い足の形はスクエア型・ギリシア型・エジプト型の3つに分類することができます。それぞれの方の特徴は以下のようになっています。
このうち、足の親指が他の足指より長いエジプト型は、親指の骨である母趾中足骨(ぼしちゅうそっこつ)が長いため、足全体のバランスを保とうとするために親指が外側に曲がってしまいます。
そのため、エジプト型は、外反母趾になりやすい足の形であるといえます。
ここまで、外反母趾の原因を見てきました。中には、歩き方や普段履く靴を変えてみるなど自分でできるものもありました。気になったものを取り入れてみてください。
ここからは、専門的な治療・施術も含めた具体的な外反母趾の治し方を紹介していきます。
外反母趾を治す方法は大きく分けて2つあります。
1つは整形外科や整骨院に通う方法、もう1つがエクササイズによる症状の改善です。
まずは、整形外科での治療についてみてみましょう。整形外科では手術で外反母趾を治療していくのが基本になります。
実際の手術がどのようなものかは「外反母趾が悪化するとどうなるの?」でも紹介しました。整形外科でおこなわれる手術ですが、治療効果は高いです。しかし、傷跡が残ってしまったり、靴選びや歩き方などの生活習慣が原因となっている場合は再発したりといったケースも多く、初期段階ではあまりお勧めできないものになっています。
それでも、痛みが我慢できなかったり、生活に支障が出ている場合は整形外科で検査をしてもらうことをお勧めします。
次に、整骨院での施術についてみていくことにします。
整骨院ではテーピング療法によって足の機能回復や、親指を正しい位置に戻すための施術をうけることができます。外反母趾の原因となっている生活習慣からの改善で、再発しない体作りを目指すのが整骨院でおこなわれる施術の特徴です。
なので、初期段階なら整骨院で症状の改善を目指すほうがよいでしょう。
軽度の外反母趾の痛みを緩和して悪化を防ぎたい人が、整骨院で施術をうけると日常生活が楽になりますので、ぜひ検討してみてください。
ここまでは、外部の機関に頼った治療法・改善法でしたが、
次からは自分でできる簡単なエクササイズを2つ紹介していきます。
まずは「じゃんけんストレッチ」の紹介です。このストレッチは特に道具を必要としないので、いつでも気軽におこなうことができます。以下の手順に沿って実際にやってみましょう。
次は「足裏筋エクササイズ」です。このエクササイズに必要なものは、
足裏が床につく高さの椅子、バスタオル、水の入った 500mlペットボトルの3つです。
用意ができたら以下の手順に従ってエクササイズを進めていきましょう。
少し手間はかかりますが、効果はあるのでぜひ取り組んでみてください。
外反母趾の原因・対策・治し方を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回紹介した治し方には自分でできるものも含まれているので、ぜひ実践してみてください。
ただし、今回紹介したエクササイズは症状を一時的に改善するだけのものなので、
症状が軽いうちに、整骨院へ行くようにしてください。
また、セルフチェックで外反母趾でないと診断できた方でも、靴の選び方や歩き方によっては外反母趾になってしまう可能性があります。大切なのは外反母趾にならないよう予防することです。靴のつま先の幅を広くする、足指の筋肉を鍛える、歩き方を意識して変えてみるなどの工夫をして、外反母趾の予防をおこなってください。
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