columnお悩み解決コラム
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公開日:2019.8.8 / 最終更新日:2021.2.17
肩こりを解消するためには温めた方が良いとよく言われますが、痛みが強い場合には冷やした方が良いといわれるケースもあります。いったいどちらが正しいのでしょうか。
今回の記事では、肩こりを解消するためには患部を温めたほうがいいのか、それとも冷やしたほうがいいのかという疑問について詳しく解説します。また、肩こりを解消するための簡単なストレッチや運動も紹介します。
結論から言うと、肩こりを解消するために、患部を温めるべきか冷やすべきかについては、症状によって異なります。そのため、肩こりによって現れている症状を見極め、正しい処置を施すことが重要です。
仮に冷やすべき肩こりを温めた場合、かえって痛みを増してしまう可能性があります。反対に、温めるべき肩こりを冷やした場合、肩こりからの回復が長引いてしまいます。
肩こりや痛みを感じると、すぐに湿布を貼ってしまう人もいますが、それがかえって肩こりを長引かせているのかもしれませんよ。
肩こりを温めるべきか冷やすべきかについては症状によるということでしたが、急性の肩こりに関しては、患部を冷やすのがおすすめです。
急性の肩こりについて理解するためには、そもそも「こり」とは何なのかについて知っておくことが重要です。こりとは筋肉が収縮し、元に戻りにくくなっている状態を意味します。
筋肉にはもともと収縮性があるのですが、縮んだ筋肉が元に戻りきっていない状態を「こり」や「筋緊張」と呼んでいる訳です。
筋肉が縮んで硬くなってしまうと、その場所に「筋疎血(きんそけつ)」が起こります。筋疎血とは、簡単にいうと筋緊張によって血管が圧迫され、血行が悪くなることを意味します。
そして、筋疎血が起こった場所では、痛み物質が産生されることとなります。それによって筋肉痛のような痛みを生じるのですが、血行が悪くなっているので、痛み物質が局所に停滞します。
そうなるとさらに痛みが強くなるため、患部をかばおうとさらに筋肉が硬くなってしまいます。筋肉が硬くなることで、さらに血行が悪くなり…といった具合に、どんどん悪循環になっていくのです。
一般的には慢性的な肩こりが多いのですが、寝違えたり無理な動作を強要されたりすることで、急性の肩こりを発症するケースもあります。
自分の肩こりが急性なのか慢性なのかを見極めるためには、患部に熱を帯びているかどうかを確認するとよいでしょう。
急性の肩こりに限った話ではありませんが、急性疾患には必ずと言っていいほど炎症がともないます。そして、炎症には5つの徴候(5大徴候)があります。
炎症の5大徴候は、
の5つです。
首を左右に動かした時や、腕をあげおろししたときに痛み(疼痛・機能障害)が出る場合や、患部が熱を帯びて赤く腫れているような場合(熱感・主張・発赤)、お風呂で温まるとバクバク脈打つような場合は、患部を冷やすように心がけましょう。
肩を冷やす簡単な方法としては、市販の保冷剤にタオルを巻いて患部に押し当てるという方法があげられます。また湿布をドラッグストアで購入して患部に貼ったり、濡れタオルを冷やして患部に当てたりするのも良いでしょう。
スポーツ障害などの外傷の場合、冷やす時間は一般的に15分から20分とされています。冷やすことでまず強い冷感に襲われ、次に灼熱感が表れます。
その次に疼痛が感じられ、最終的に痛みが消失します。急性の肩こりに関しても、あまりに痛みがひどい場合は、スポーツ障害に準じたアイシングをおこなうとよいでしょう。
ちなみに急性の肩こりに限ったことではありませんが、急性疾患に関して、患部を冷やした方が良いのは、受傷起点(痛みを感じた時点)からせいぜい48時間以内とされています。
患部を温めるべき肩こりとしては、慢性の肩こりがあげられます。肩をぶつけて打撲を負ったなど直接的な負傷の場合を除き、ほとんどの肩こりは慢性の肩こりに分類されます。
慢性の肩こりとはその名の通り、慢性的に肩がこっている状態を意味します。「いつから肩がこっていますか?」と聞かれて、明確に答えられない肩こりはほとんど慢性的な肩こりと言えます。
日常生活にはそれほど支障をきたさないものの、気が付くと自分で肩をもんでいるような場合、慢性の肩こりをもっていると言えるでしょう。また、美容院で「肩がこっていますね」といわれるものの、自分では自覚のない慢性の肩こりもあります。
そのような肩こりは温めるのがおすすめです。およそ人間の身体に関して、冷やしてよいことはほとんどありません。迷ったらとりあえず温めて反応を見てみましょう。
肩を温めるもっとも簡単な方法は、お風呂に浸かってゆっくりすることです。お風呂に入ることで血行を促進できるため、肩こりの元となる痛み物質を排出しやすくなります。
また、お風呂に浸かってリラックスすると、自律神経のうち副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、血管が拡張するため、より効果的に痛み物質を排出できるのです。
お風呂に入っている時間がないという人は、濡らしたタオルをよく絞り、電子レンジで温めたものをビニール袋などに入れ、患部を温めるとよいでしょう。
最近は薬局やドラッグストアで、首や肩周りを温めるグッズも販売しているので、そのようなアイテムを利用するのも良いでしょう。
患部を温める際の温度ですが、体温よりも少し高くて「気持ちいい」と感じる程度がよいでしょう。肩を触ってみて、筋肉がゆるんでくるのを実感出来れば、上手に温められている証拠です。
ちなみに、身体を温めるというと「温湿布でもいいですか?」と質問されるケースがあるのですが、温湿布には身体を温める効果はありません。
温湿布にも冷湿布同様、痛みを抑えるための消炎鎮痛剤が含まれています。消炎鎮痛剤には血管を収縮させ、神経伝達を阻害する働きがあります。
つまり、温湿布は肩こりによる痛みを「感じなくさせている」だけなのです。そのため、肩こりの根本的な改善につながらないどころか、かえって肩こりの慢性化を誘発してしまう可能性が高くなります。
湿布を貼ることで一時的に痛みを感じなくなると、「痛みが出れば湿布を貼れば良い」という考えになり、肩こりの根本的な原因である姿勢不良や、生活習慣の改善に取り組む意識を持ちにくくなるからです。
肩こりを解消するためには、肩周りの血流を促進することが重要です。そのための手段として、肩周りの筋肉を動かすなど、簡単な運動をするという手があります。ここでは肩こり解消のためのストレッチや体操を紹介します。
ストレッチをおこなうと、筋肉を収縮させることが可能となるため、こっている部分の筋肉を緩め、血行を促進することが可能となります。
またストレッチ自体にリラクゼーション効果も期待できるため、副交感神経を優位にし、さらに血流を促すことが可能です。肩こり解消のストレッチに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
自宅や職場で簡単な体操をおこなうことで、肩こりを解消したり予防したりする効果が期待できます。ストレッチと同様、身体を動かすことで血行が促進されるからです。肩こり解消に効果的な体操については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
肩こりは病名という訳ではなく、たいしたことがないものと思われがちです。実際には肩こりがひどくなって頭痛につながるケースもありますし、顎関節症や耳鳴りにつながるケースもあります。
東洋医学では肩こりを「万病の元」と位置付け、自律神経のバランスと深くかかわっていると考えています。そのため、なるべく早く肩こりを解消して、健康で快適な日常を手に入れましょう。
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