columnお悩み解決コラム
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公開日:2019.9.19 / 最終更新日:2019.10.10
逆子に関してインターネットで検索をかけると、「お灸をしたら逆子が直った!」という記事がたくさんあります。
でも、「本当にお灸で逆子が直るの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、お灸で逆子を改善できるメカニズムや、自宅でお灸をするときのポイントや注意点を紹介します。
それでは早速ですが、お灸が逆子解消につながる仕組みについて、見ていきたいと思います。
逆子のことを医学的には「骨盤位」と呼んでいます。通常、お腹の赤ちゃんは頭を子宮口(下側)に向けているのが一般的です。
妊娠初期段階ではまだ赤ちゃんが小さいため、赤ちゃんは子宮内を自由に動き回っています。そのため、妊娠初期段階では逆子になることも珍しくありません。
妊娠後期に入って赤ちゃんがだんだん大きくなると、子宮内での姿勢を安定させるため、子宮筋が収縮し、赤ちゃんの姿勢を変えようとします。また、赤ちゃん自身も胎動によって自分で回転します。
その結果、頭を下に下げた「頭位」の状態になるのです。ところが、妊娠28週を経過しても、何らかの原因で赤ちゃんの頭が上を向いている場合、逆子と診断されるのです。
昔からお灸は逆子治療の手段として広く行なわれてきました。お灸で特定のツボを刺激することで、赤ちゃんの胎動を促すことが期待できるからです。
後ほど詳しく紹介しますが、逆子を解消するためのツボとして、「至陰(しいん)」がよく知られています。そして、至陰にお灸を据えることによって、子宮の筋緊張が緩和することが分かっているのです。
その結果、赤ちゃんが骨盤内で動くためのスペースが生まれ、それによって逆子を改善することが期待できるというわけです。
逆子はだれにでも見られる現象であり、それほど珍しいものではありません。また、現代医学をもってしても、逆子になるハッキリとした原因は分かっていません。
ただ、おなか周りが冷えることで、子宮筋が緊張し、結果として逆子のリスクが増大するのではないかと考えられています。
そして、冷えにつながるリスクファクターの1つがストレスです。東洋医学では、思い悩むことがあると体温が頭に上り、お腹を冷やすとされています。
また、西洋医学的に見ても、ストレスによって交感神経が優位になると、血管が収縮し血行を阻害するため、冷えにつながるとされています。
お灸をすると身体の内側からじんわりと温かくなるので、冷えを解消する効果が期待できます。また、お灸によるリラクゼーション効果で、自律神経のバランスを整える効果も期待されます。
お母さんがリラックスしていれば、おなかの赤ちゃんも居心地が良いものです。それが逆子のリスクを下げることにつながるというわけなのです。
当院をはじめとした鍼灸整骨院や鍼灸院では、逆子の治療をしているケースもよくあります。では、一般的にどのような方法で逆子にアプローチしているのでしょう。
逆子をお灸で改善するときには、お灸でツボを温めるのが一般的です。逆子の改善効果が期待されているツボとしては、先ほど少し触れた至陰穴(穴=ツボのこと)や、三陰交穴(さんいんこうけつ)が有名です。
至陰のツボは特に、伝統的な「逆子の特効穴」とされており、至陰にお灸をすることで、赤ちゃんの胎動を促すことが経験則で分かっています。
三陰交のツボは冷え性やむくみ、生理痛など、女性の悩みに効くツボとしてよく知られています。三陰交のツボにお灸をすると、血行を促進する効果が期待できるため、逆子の改善にも役立つというわけなのです。
骨盤が左右に傾いていたり、後ろ側に倒れていたりすると、お腹の赤ちゃんの姿勢が定まらず、逆子になるリスクを高めるのではないかと考えられています。
そこで、鍼灸整骨院では骨盤矯正を行ない、赤ちゃんが自由に動けるスペースを生み出せるよう尽力しています。
また、自宅でも不良姿勢を続けないようにすることが重要です。そのため、お腹が大きくなってきたときの姿勢についてもアドバイスしています。
東洋医学の世界では、「冷えは万病の元」とされています。特に妊娠中におなかを冷やしてしまうと、子宮筋が収縮して、逆子のリスクが高くなってしまいます。そのため、鍼灸整骨院などでは、お腹周りを冷やさないように指導しているのです。
もし、自分で逆子対策のお灸をしたいのであれば、台座灸の一種である「せんねん灸」などを利用するとよいでしょう。テープで貼るタイプのお灸なので、一般人でも安心して利用できます。
自宅で逆子治療のお灸をするのであれば、先に紹介した「至陰」と「三陰交」のツボを利用するとよいでしょう。至陰のツボを刺激する際には、角型の台座灸を用いると効果的です。三陰交の場合は角型でも丸形でも構いません。
一般的に、冷え性を改善したり、血行を促進したりする効果のあるツボは、お灸の熱さを感じにくいものです。
特に至陰のツボは足の小指の爪の生え際にあり、お灸の熱が入っていきにくいため、時間をかけて温めるよう心がけましょう。
三陰交のツボは、足の内くるぶしに小指をあてたときに、人差し指が当たるポイントにあります。やはり冷えが感じられると思いますので、じんわりと温かくなるまでお灸を続けましょう。
最近はツボに貼るだけで簡単に利用できるお灸があるので、一般の方でも気軽にお灸が楽しめるようになっています。ただし、自分でお灸をする場合、いくつかの注意点があります。
自分でお灸をする場合、熱いと感じたらすぐに取るよう心がけましょう。熱いのを我慢していると、かえって症状が悪化したり、やけどをしたりする可能性があります。
自宅でお灸を行なう場合、部屋の換気を忘れずに行ないましょう。また、近くに燃えやすいものを置かないようにすることも重要です。
肩のツボである「肩井(けんせい)」と、手の親指と人差し指の付け根にある「合谷(ごうこく)」は、子宮を収縮させる可能性があるため、昔から「堕胎のツボ」とされています。そのため、妊娠中は刺激しないよう気を付けましょう。
逆子を改善するためのお灸は、自分で行なうことも可能ですが、以下のような時には専門家を頼るもの良いでしょう。
人間の身体には360以上のツボがあるということですが、正確に取穴(しゅけつ:ツボの位置を特定すること)はなかなか難しいものです。
なぜなら、身体の大きさは人それぞれであり、ツボの場所も人によって微妙に異なるからです。そのため、ツボの位置が分からない場合、専門家のアドバイスを受けるのも良いでしょう。
至陰のツボは足の小指の付け根にあります。そのため、妊娠後期の大きくなったお腹の陰になり、至陰のツボに正確にお灸を置くのが大変なケースもあると思います。
そんな時にはパートナーやご主人、ご家族にお灸を置いてもらうとよいでしょう。もちろん、私たちのような専門家を頼っていただくのも大歓迎です。
逆子に悩まされているママさんはたくさんいると思いますが、どうか一人で悩まないでください。最後まで逆子でいるのは全体の3%から5%に過ぎませんし、気が付いたら逆子が直っていたなどということはよくある話です。
原因が分からないことについて悩むのは精神衛生上よくありませんし、おなかの赤ちゃんにとっても好ましいことではありません。
悩みは相談するだけで、その半分は解決するとも言います。何かわからないことがあれば、ぷらす整骨院になんでも相談してくださいね。
逆子に対するお灸は昔からよく行なわれており、全日本鍼灸学会の調べによると、逆子の89.9%が鍼灸治療で改善したというデータもあります(データ参照:全日本鍼灸学会)
元気な赤ちゃんに会えるのを楽しみに、鍼灸整骨院で心身のコンディショニングを行なってみてはいかがでしょうか
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